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私は不動産コンサルタントとして、不動産投資をしようと考えているサラリーマンからご相談を受ける機会が多いのですが、そのお悩み事はいくつか大きくグルーピング出来ることに気付きます。
ご相談の中でも大きな割合を占めるのが、「これからの日本は人口が減るって言っているのに、今から不動産投資を始めて大丈夫なのでしょうか?」というものです。
確かに人口が減れば今よりも賃貸需要が減るでしょうから、賃貸物件を所有する個人オーナーにとってはとても深刻な問題となります。
人は正体の見えない問題に対して不安を抱きます。でも、正体をしっかりと見据えてみれば解決の糸口は見えてくるものです。
今回は人口の減少と今後の不動産投資の方向性について考察してみたいと思います。
人口、世帯数はどこまで減るのか?
不動産業界関係者の中では、「2019年問題」と言われるものがあります。
「2019年問題」とは、わが国の世帯総数が2019年でピークアウトし、その後は減少に転じることで、同時にマイホーム・賃貸需要も減少し、住宅不況が到来するのではないかという問題です。
国立社会保障・人口問題研究所が今年1月に公表した「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」によると、日本の世帯総数は2019年の5,307万世帯でピークを迎え、2035年には4,956万世帯まで減少すると推計されています
ご存じのように、すでに日本の総人口は減少を始めており、2035年には1億909万人にまで減ると推計されています。
それでも世帯総数が増加していたおかげで、市場規模の過度な縮小は抑制されてきました。
つまり、世帯数が減るということは、不動産を借りる方や購入される方も減るということになります。そうなると必然的に空き部屋、空き家が増え、不動産価値が下がり、これがきっかけとなって不動産暴落になりかねないとの懸念があります。
世帯総数が2019年にピークを迎えることで、住宅市場は本格的な「縮小マーケット時代」に突入します。
これまで不動産業界は、新たな土地を確保したり、既存の土地に高層マンションや、大小さまざまな分譲マンション・賃貸住宅を作ってきました。しかし、肝心な需要、つまり住宅を借りる方や購入を検討される方達の総数が減少するということは、いくら土地開発や建て替えをしても、もはや買い手がなくなるということです。
これが2019年問題の正体です。
2019年問題を乗り切る方法
不動産投資は基本的にはインカムゲイン(毎月の賃料)を得ることを目的としています。
キャピタルゲイン(売却益)を得ることを目的として不動産を取得する投機とは区別されます。
不動産投資のメリットとして挙げられるのは、株式投資やFX投資と比較して家賃相場の変動は緩やかであることです。
物件の売買価格が大幅に値下がりすることはあっても、家賃相場が暴落することはないことが他の投資と比較した際の強みでもあるのです。
不動産を既に持っている方々には深刻な問題となる一方で、サラリーマンがこれから副業として不動産投資をスタートする際には、確実に購入価格が下がっていく局面は逆に歓迎すべき現象なのかも知れません。
2019年に向けて安定した不動産投資を行っていく為には、
① 購入前のリサーチを徹底すること
② 入居率を高める3原則を徹底すること
この2つが重要です。
① の購入前のリサーチは非常に重要で、私のコミュニティにおいてもチェック項目を予め作成して、その条件を満たす物件の購入を薦めています。
② の入居率を高める3原則ですが、入居率を高めるには、物件に魅力がある(入居者を引き付ける魅力をつくる)こと、入居者に長く住んでもらうこと(良好な管理体制等)、入居募集をスムーズに行うこと(良質な仲介会社の確保等)が重要です。
入居者を引き付ける魅力とは、例えば、今後は全体の世帯数が減少していく中で、単身や高齢者夫婦の世帯が増えていくことが予想されていますから、単身者や高齢者のライフスタイルに沿った立地面や設備面で訴求することによって、強みになることが考えられます。
長く入居してもらうには、まず入居者の要望に応えて不満を解消することが第一です。入居者の不満を解消してあげて、清掃に力をいれ、サービスに努める、といった平凡なことですが、賃貸経営の原点はこんなところにあると思います。
良質の仲介会社の確保等は、一朝一夕には出来ませんが、経験を重ねていくことで会得出来ます。
2035年には4,956万世帯まで減少するといっても、これは2005年の世帯数の水準を上回っています。結局のところ、賃貸経営の原点に立ち戻った運営に徹することで4年後に迫った2019年度問題は乗り越えることが出来ると考えています。
それと不動産投資、賃貸経営を行う上で大事なことは、マスターマインドを持つことだと思います。
同じ立場の同志との情報交換によって様々な気付きを得ることが出来るでしょう。
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