不動産コンサルタントの
星 龍一朗です。
さて、あなたは、不動産売買における
「瑕疵担保責任」について、ちゃんと理解してますでしょうか?
この瑕疵担保責任は、法的には奥が深くて、かつ抽象的で、
不動産売買においても、売主・買主・仲介業者の認識・解釈に相違が生じて、
トラブルになりがちです。。。
そもそも、「瑕疵(かし)」とは、
通常、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないことを言います。
現行の民法では、売買における瑕疵担保責任について、
(1)売買の目的物に隠れた瑕疵があった場合、
(2)買主がその事実を知った時から1年以内であれば、
(3)買主は、契約の解除及び損害賠償請求をすることができる(解除ができない場合には損害賠償請求のみ)
と規定されています(民法570条、566条)。
(ちなみに、予定されている民法改正では、瑕疵担保責任についても、改正があるようです。)
というわけで、売買における瑕疵担保責任とは、
売買の目的物に隠れた瑕疵(欠陥)があった場合に売主が負担する責任のことです。
「隠れた瑕疵」というのは、買主が取引通念上一般に要求される程度の注意を用いても発見できない瑕疵のことをいいます。
ここで、ポイントは、
「買主がその事実を知った時から1年以内であれば、」
という点です。
不動産の売買において、この民法の規定をあてはめると、
売主からしてみると、いつまでたっても、瑕疵担保責任がついてまわることになってしまいます。
そこで、不動産売買の実務では、売買契約書に、
瑕疵担保責任の期間を限定する
(例:「物件の引き渡し後、3ヶ月以内」等)条項や、
瑕疵担保責任の範囲を限定する
(例:「建物について、雨漏り、シロアリの害、建物構造上主要な部位の木部の腐蝕、給排水管の故障に範囲を限定」等)
条項が入っている場合が一般的になっています。
なお、売主が不動産会社(宅地建物取引業者)である場合で、買主が宅建業者ではない場合は、
宅地建物取引業法により、売主が瑕疵担保責任の期間を引渡日から2年以上の期間とする特約を除いて、
民法上の瑕疵担保責任を軽減する特約は無効となります。
つまり、売主が宅建業者の場合は、瑕疵担保責任は「引渡しから最低2年」ということです。
そして、売主が宅建業者の場合で、物件が新築住宅ですと、売主は主要構造部分等(基礎、柱、屋根、外壁等)については、
瑕疵担保責任を引き渡しから10年以上負わなければいけません。
実は、私が大学を出て、不動産の業界に入った際に、最初に担当した業務は、不動産売買仲介の契約書類の審査業務でした。
自社ネットワークの不動産売買の営業店舗の営業マンが作成した売買契約書・重要事項説明書・覚書等の契約関連書類の内容を
チェックして、不備や誤り、法令違反等があれば、それを指摘して修正させるという仕事です。
来る日も、来る日も、営業マンが作成した売買契約関連書類が送られてきて、
その内容を審査していました。
売買契約書の条項は、雛形になっていて、当然、「瑕疵担保責任」に関する条項も記載されていました。
そこで、良くあった間違いは、売主の「瑕疵担保責任」を免除する目的で、
「瑕疵担保責任」に該当する条項を、「第〇条抹消」とだけ記載してあるパターンでした。。。
これは、何が間違いかおわかりですか?
そもそも、売主の瑕疵担保責任の期間や範囲を限定するための条項を
「抹消」してしまうということは、「民法規定」が適用されてしまうということです。
「民法規定」では、売主の瑕疵担保責任は、「買主がその事実を知った時から1年以内」となってしまうわけです。
これでは、売主を保護しようとしたのに、かえって、売主に極めて、不利な売買契約になってしまいますね。
このように不動産会社の営業マンは、意外とよく理解していないことあるのが実情です。。。
不動産投資家の方や、これから不動産投資を始めたいと思っている方は、
トラブルを回避するために、ある程度、法律的な知識も必要だと思います。
なぜなら、実際には、物件を買った後に買主が瑕疵を発見して、売主に対して損害賠償を請求しても、
売主は、それを瑕疵だと認めない場合もあります。
人気テレビ番組の「行列ができる法律相談所」を見ていても、お分かりだと思いますが、
出演している弁護士の意見が、人によって、まったく異なる場合がありますよね。
買主は瑕疵だと思っても、売主は瑕疵だと思わないということも、よくあるわけで、
法的には、どっちなのかというのは、最終的には裁判で決着をつけないとハッキリしないこともあったりします。
というわけで、
6月8日の第4回ニコニコ不動産交流会では、冒頭、不動産事案に精通した弁護士の濱田先生から、
不動産売買における瑕疵担保責任の法的定義や、具体的なトラブルの事例を判例などに基づくお話をして頂く
ミニセミナーがあります!
その後は、通常通りの交流会となりますので、
不動産に関する知識と人脈が得られます。
まだ、若干、席が残っていますので、お気軽にご参加ください。
定員になり次第、募集を終了させて頂きますので、お早めにお申込みください。
お申込みは、こちらから↓
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(場所の詳細は、お申し込み後に、ご案内致します)
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個人不動産投資家さん・大家さん・これから不動産投資を始めたい方
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FP,税理士,司法書士,弁護士,建築士等の士業の方など
◆ 内容:
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・講師プロフィール:所属:弁護士法人北村・加藤・佐野法律事務所 ジュニアパートナー (テレビ番組「行列ができる法律相談所」でおなじみの北村晴男弁護士の事務所)
専門分野:不動産,相続,債権回収,事業再生等
平成21年から約5年間,都内の法律事務所にて勤務し,不動産案件,債権回収案件,強制執行・保全案件を中心に携わる。
平成26年9月より現事務所にジュニアパートナーとして参画,相続案件,事業再生案件,損害賠償案件,不動産の法的トラブル事案(賃料滞納,更新,立退交渉など)に精通。
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