【不動産よもやま話】2mあるかないかで、大違い。。。
これまた古い話になりますが、不動産の売買仲介営業をしていた時になります。
私は、都内住宅地の60坪強ある土地(古家有)の売却を依頼されました。
しかし、それなりに価格の高いエリアであったため、60坪強あると、
価格総額が軽く「億」を超えていて、総額がはるため、なかなか買い手がつきませんでした。
そこで、私は2分割して売却することを売主さんに提案。
系列の大手ハウスメーカーに依頼して、30坪強ずつに土地を分割した場合の建物プランを作り、
売却活動を行いました。
そうしたところ、ほぼ同時期に両方に買い手が見つかったため、
取引を進めることになりました。
そこで懸案になったのが、敷地の一部が高くなっていて段差があったことです。
この段差を残したままだと、敷地の有効面積が減っていまうため、売主さんの責任と負担で、
この段差部分を撤去し、隣接地との間に擁壁を設置するという条件で取引を進めました。
擁壁工事は、系列のハウスメーカーにお願いして、実際には、下請けの工事会社が施工を担当することになりました。
ここで一つ問題が発生。買主さん2名とも、この系列ハウスメーカーではなく、別のハウスメーカーで建物を建てることに決まってしまったのです。
系列ハウスメーカーは、擁壁工事だけでは旨味がないため、下請け会社に丸投げとなりました。
これが悲劇の始まりです。
実は、高さ2mを超える擁壁は、建築基準法上の工作物に該当するため、建築確認申請手続きが必要なのです。
そして、この敷地の段差は2mを超えていましたので、当然に、建築確認および検査済証を取得する擁壁を作るはずでした
ところが、なんと下請け会社の工事部長は、勝手に、高さ2mを切る状態にして、建築確認無しで擁壁を作ろうと算段。
引き渡しの時期が近づいても、工事の進捗がないため、詳細を確認したところ、このことが判明。。。
それからが大変でした。
建築確認を取るとなるとボーリング調査を実施して、地盤の詳細データをとり、その上で構造計算を実施。
工事金額は3倍近くに膨れ上がり、予定していた引き渡し時期にも全く間に合わないという事態になってしまったのです。
地盤があまり良くなかったため、余計に費用が膨らみました。
売買に関しては、買主さんが方易の関係で、引っ越し時期にこだわっていたりで、土地の引き渡しが遅れることで、
ひともんちゃく。
遅延損害金を支払うことで決着しました。
結局、下請け会社と、私のいた会社で、売主さんとで、金銭的な痛みを分け合いましたが、
下請け会社の工事部長は、会社を去ったようです。。。
「擁壁は、高さ2mあるかないかで大違い!」
ちなみに、系列ハウスメーカーは責任を全く追わず逃げに逃げました。。。
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